赤道を越えたら〜林檎 楽曲
壮絶なアルバムといえる「日出処」。
その4曲めの、ある意味やはり壮絶と思える曲。
"赤道を越えたら"
PV探したけど、やはりなし。
始まりをぼかすようなドラムフィルインから。
しょっぱな男性のささやきは、ボサノバのパロディのよう。
まあ、このアルバム自体、怒れるパロディのようなもんだから。
などと思っていると、1拍半早く歌い出すAメロ。
しかもそれは、その時のコードのテンション(♭9th)の半音ズレ。すなわちぶち壊してぼやかす音を突拍子もなく聴かせる。
ラテンではベースとかが1拍早く前の小節から鳴らすことは普通にある。
だがこれは、変わっている、といっていいくらいの振る舞い。
林檎さん、自称「POP職人」でしょう?
たくさん売る人でしょう?
また、よく考えると、1拍半食ってるこの音は、サビの最後のコードの重要テンションなのでは?
一周なの?
赤道を二回越えて、地球一周なの?
まあ、結局POPでキャッチーな曲になってるし、そんな必死に指摘するほどのことでもないんですが。素晴らしい曲になっているし。
ここで再確認してしまいます。
おれにとっての林檎さんは、
やっぱサウンド
なのです。
このブログで、さんざん詩のこと、そしてその解釈のことを書いてきましたが。
75%サウンドで、その曲を好きになってしまいます。
「無罪」だって「風俗」だって、最初はサウンドの素晴らしさにやられたんです。
その後、詩でさらに涙するという。
林檎姉さん。
あんたやっぱ、うまいね。
PS:この曲のエンディングから、次の曲"JL005便で"のオープニング。それは「日出処」の聴きどころのひとつです!
ピンクフロイドみたい!
PS2:この曲の詩のこと。
男と女も、作り手と評論家も、右も左も、南も北も、新も旧も、愛も憎も……対立するものみんな、境い目はつなぎ目でしょ? ガチャガチャうるさく騒いでるけど、目を閉じて、いっぺん冷静に考え直してみなよ。地球は丸いんだよ。
っていう風に聴こえます。