平成風俗〜林檎×ネコさん
通勤中にiPhoneで聴くのは、最近はジャズばっかりだった。
先日、たまたま「平成風俗」の一曲目「ギャンブル」を聴いた。
前から好きな曲だったけれど。
つり革を握りながら、涙が出た。
そこでアルバム通して聴いてみると……。
全曲、泣ける!
「無罪モラトリアム」だけじゃなかったんだ。
「平成風俗」があったんだ。
会社があざと過ぎて、避けるようになった?
うん。
でも、つまみ聴きしてたでしょ?
うん。
気がつかなかったのは、鈍感だったからでしょ?
いや、ちゃんと聴こうとしていなかった。
東京事変がかっこよすぎたから?
そうかもしれない。
唐突に終わらざるを得なかったあのバンドの、最高に洗練された、かがやく絶頂期。
それを知ったあとに聴いたからね。
眼が曇っていた。耳がふさがっていた。
疑心暗鬼になっていた。
おれにとって、「平成風俗」は彼女を代表する作品の筆頭になった。
一枚目のアルバムとともに。
彼女は変化する。
けれど、変わってはいなかった。
身を削って作り上げるという彼女の全ての作品は、もとより彼女自身に他ならない。
https://www.youtube.com/watch?v=Tdj7hU1jDyg